おかしみ日記

おかしみは、スパイス。

人が放つエネルギーのことなんかについて、考えちゃった。

(下書きに埋もれてた記事を、未完のまま公開!^^;)

先日(2012年12月19日)、坂本龍一のコンサートに行ってきた。会場は赤坂ACTシアター。今回は教授(ファンは彼のことをこう呼ぶ)のピアノに、チェロ、バイオリンが加わった「トリオ」形式での演奏がメインのツアーである。「kizuna world」で静かに幕をあけたコンサートは中盤まで淡々と進んだ。途中途中で教授のMCが入り、時に会場の笑いをとるものの、どちらかといえば盛り上がりに欠ける、静かな演奏会だった。でも、それも「戦場のメリークリスマス」で少し変わる。

 

何度聞いたか知れないこの名曲。MP3をiPhoneに入れて持ち歩いているし、教授がテレビに出演するとなれば録画までして何度も聞いている。過去のライブにも足しげく通っている。それでも教授が「生で」弾く戦メリにはとてつもなくひきつけられる何かがある。構成も展開も知り尽くしているはずなのに、それにもかかわらず聞き惚れてしまう何か。教授が生涯でもっとも多く弾いている曲だから年季がちがうのか? そうかもしれない。でも、このどっしりとした貫禄、にもかかわらず新しいニュアンスを感じさせてやまない、これはいったい何なのだろう。

 

「戦場のメリークリスマス」の演奏が終わると、今まででいちばん大きな拍手が会場を包んだ。ようやく会場があたたまった。そしてコンサートは一気に終盤へと向かう。まるでオーケストラの演奏を聞いているような壮大なテーマを感じさせる「ラストエンペラー」、そして教授がピアノの弦を直接指でかきならすインプロビゼーションが話題になっていた「1919」。アンコールでは、教授が手がけたという2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」のテーマソングや「rain」を聴くことができた。

 

教授が演奏する姿をじっと見つめながら(なにせぼくは教授が大好きなのだ)、2013年1月には61歳を迎えるという坂本龍一の体力というか人間として放出するエネルギーの大きさみたいなものについて考えさせられた。いま60歳でこれだけ力のこもった演奏ができる彼の、20代や30代はどうだったのだろう。さぞ、ものすごいエネルギーを周囲に放出していたのではないか。