キュレーションの時代
キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/02/09
- メディア: 新書
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●佐々木俊尚さんの新著
『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』を読み終えた。
ものすごく面白かった。
という気がした。
ぼくには2つの本がつながっているように思えた。
もう一度、『ウェブ進化論』を引っ張りだしてきて、読み直そうと思う。
●ものすごく乱暴に言ってしまえば、
情報は、おたく化するけれども、たこつぼ化することはない。
なぜなら、情報を得るためには、「他人の視座」を頼りにすることになるからで、
それを頼りにする限り、自分と他人とのあいだには常にズレが生じ、
そのズレがセレンディピティを生み出すからだ。
(そうだ、それはたしか津田さんの『Twitter社会論』電子書籍版の
解説で、東浩紀さんがTwitterについて書いていたこととよく似ている。
そのあたりも、また読み直さないと)
●消費についての考察も、たいへんに面白かった。
必要な機能で割り切った消費と、
人とのつながりを感じたいという「承認と接続」の消費の
2つに消費行動は変化しているという指摘。
ぼくは最近、個人が小さくやっているお店がとても好きだ。
そういう人たちの、お店を始めたストーリーを聞くと、
ファンになってしまうし、応援しなくちゃと思う。
これなんか、まさに承認と接続の消費だと思う。
●ぼくは、そうした個人が
「大きく儲けなくても、ちゃんと生活していける」世の中であってほしいと思う。
それは、他ならない、未来の自分の姿であるかもしれないのだから。
自分の身の丈にあったサイズで起業した人が、ちゃんと成功できる世の中。
とかく「起業」というと、やれ何億稼いだとか、株式上場だのという話になるが、
そうではなく、お金に振り回されることなく、
自分らしく生きるためのスモールビジネスや起業。
そういう人たちが増えて、元気に生きる人たちが増えていったらいいと思うのだ。
●もちろん大企業はなくならないし、必要であるのだけれども、
それは彼らが、「必要な機能で割り切った消費」に対して、
商品を供給してくれなくては困るからである。
そんな企業で働きたいかどうかは、人それぞれだから、もちろん、否定しない。
ぼく自身はそれを志向しないけれども。
●本を読むと、いろいろなことを考える。
いろいろなことを考えさせる本は、きっと、いい本だ。
再読三読して、どんどん刺激をもらおう。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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