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おかしみ日記

おかしみは、スパイス。

いい「気」が流れる。

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

小山薫堂さんの仕事の話を聞いていると(読んでいると)、さわやかな気分に包まれる気がするのはどうしてなんだろう。クリエイティブな仕事につきものの、「徹夜」とか「苦しみぬいてアイデアを出す」とか、そういったこともきっと小山さんも日常茶飯事だと思うのだけれど、そんな泥臭さをまったく感じさせない。そこが小山さんのすごいところ。おそらく、本当に仕事を楽しんでいるのでしょうね。どうしたら、小山さんのように仕事を楽しめるようになるのか、そして、まわりをハッピーな気分にさせることができるのか。そう考えて、折りに触れて、何度も読み返したくなるのが本書です。

人生って、選択の連続ですよね。だから迷ったり、何かうまくいかないことがあると、「これでよかったのか」と後悔しがちなんですが、僕は、どんなに失敗しても、どんなに大変なことがあっても、これが最善の道だと思うんです。〜中略〜いつも、今、自分が選んでいる道の先には最良の未来があるって思うようにしている。

 僕は何か新しいことをやろうと決めたとき、三つのことを考えます。
 一つは、「それは誰かがやっていないか。すでにもうほかの人が同じことをやっているのではないか」ということ。
 二つめが、「それは誰を幸せにするか」。
 三つめは、「それが自分にとって面白いか」。
 かっこよく言えば、この三つを満たす仕事が理想なんですが、現実はなかなかこの通りにはいきません。でも、とりあえずこの三つは考えます。
 なかでも「それは誰を幸せにするか」ということは特に大切だと思います。

 偶然力を鍛えようと思ったら、まず、観察だと思います。
 ほんとうは、アイデアの種は誰のまわりにもたくさん散らばっているのに、みんな見逃しているんだと思うんです。
 それから、とにかく人に話しかけること。これも、偶然力を鍛える格好のトレーニングになります。
〜中略〜
 だから、偶然を信じるというのは大切だと思うんです。僕はいろいろなところで、驚くような人との出会いをよく経験して、人に話すと作り話だろうと言われるんですが、これも僕が偶然の力を信じているからなんです。
 今目の前で起きている偶然に思えることを、すべて必然と思えるかどうか。
 偶然力を一番鍛える方法は、自分には偶然力があると思いこむことだと思います。

 日常というものは、誰にとっても、多かれ少なかれ、窮屈なものだと思います。でもその窮屈さにいつも甘んじていると、発想の芽を自分から摘んでしまうことになる。
 日常のことを一生懸命クリアしようと思っているだけだと、それだけでもう、いっぱいいっぱいになってしまって、それ以上のことは浮かんでこないんじゃないかと思います。
 だからあえて自分らしくないことや、思いがけないことをやる。そうすることで日常の閉塞感を打破できたり、発想につながったり、あとあと自分の人生を変えたりすることができる。
 そういう意味で、いろいろな経験をしている人のほうが、どんどん雪だるま式に面白いことをつなげて、成功していくのではないでしょうか。

●今回の引用はこれぐらいで。ジャンルとしてはアイデア本になるのでしょうけれども、仕事論でもあり、人生論でもあります。すごく読みやすい本なのですが、じっくり何度も読み返してみたくなるのは、やはり、小山さんという人間の魅力なんでしょうね。すばらしい。