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おかしみ日記

おかしみは、スパイス。

ネットがあれば履歴書はいらない?[読書]

『ネットがあれば履歴書はいらない―ウェブ時代のセルフブランディング術』を読んだ。タイトルからして面白い。IT関連の記事や著作の多い佐々木さんが、彼ならではの実践的なセルフブランディング術を教えてくれる本だ。

●ぼくが特に興味深かったのは、プライバシーの捉え方について書かれている部分だ。本の中で紹介されている、マイクロソフト元社員のブロガーは、自分の病気についてツイッターで公開した結果、健康情報におけるプライバシーはもう終わった、と感じたそうだ。公表することで病気であることが広く人に知られても、実害よりもむしろ病気に関する有益な情報が得られたという。プライバシー=何が何でも守られるべきもの、それが漏れそうでネットは何となく怖い、という考え方そのものも、もう古いのかもしれないとぼくも思った。自分に関する情報を外に出すことによって、どんな利便性が得られるのか。そこに新しいサービスが作られていくだろうし、人々のプライバシーについての考え方、リテラシーも変化していくのだろう。

●また、「名刺はセルフブランディングの重要アイテム」だという指摘も興味深かった。とくにフリーランスになって仕事をするとき、たとえば取材先で相手に渡す名刺の質でさえ、信用にかかわるから注意したほうがいい、という指摘。なんてことはない、ちゃんとした名刺専門会社で名刺をつくることを勧めているわけだが、なるほどと納得した。インクジェットで即席で作ったような安っぽいものを相手に渡すなんてことはご法度だ。個人で名刺をつくる際は初期投資と思って、いい名刺を用意しよう。

●すぐにでも取り入れたいと思ったのは、ネット上でセルフブランディングを行う際に、統一されたユーザーネームを使うこと、というアドバイス。ニックネームでもかまわないが、できれば実名で、ブログもtwitterGoogleもその他様々なウェブサービスも統一した名前で登録すべきだという。「いったん自分の通名はこれで行く、と決めたら度胸を据えてその通名を使い続ける。「誰かに叩かれたら名前を変えればいい」や「ちょっと他人をからかうのに別の名前を使ってみよう」とかいいかげんなことを考えて名前をころころ変えるような人には、セルフブランディングはできない。」(88ページ)と指摘している。長期にわたってネット上で情報発信をしていく覚悟のようなものがないと、セルフブランディングの道は険しいのかもしれない。ぼくなどはもうすこしゆるいが、でも統一した名前を使い続けたいと思っているということは、ネット上でどんな発言をしていくかを考える際に、一定の倫理基準として機能するように思う。

twitterの活用方法についても章をさいて言及している。本の趣旨からして当然、ビジネス活用するためのtwitter活用術が書かれているのだが、ぼくの気持ちとしては、もう少しゆるく楽しめるメディアとしてtwitterを使っていたいと思っている。せっかく面白いと思っているのに、ビジネス活用の手段に限定されてしまったら魅力が減るように思うのだ。でも自分なりのtwitter活用方法は時間とともにどんどん変化していくのだろう。

●最後に。本書で紹介されているWebサービスの中で、ぼくが気になったものをあげておく。
『Topsy』…「つぶやきにより減ったフォロワー数の解析ができる」
『TweetEffect』…「フォロワーの増加数を時系列で見られる」
『フレンドフィード』…「各ソーシャルメディアに散らばった個人のライフストリームを一括するメタソーシャルメディア」
ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術 (宝島社新書)